教育のイノベーションはPTAから始まる!? 札幌市東区PTA連合会 WEB研修会の実施レポート

2020年12月28日

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小中学校のお子さんがいらっしゃる方へ

今回は、私がサポートさせていただいたWEB研修会の実施レポートです。オンライン化が広まってから、都心以外のお仕事をいただく機会も増え、「自分たちの地域のためにチャレンジしたい!」という方達とご一緒させていただく機会が増えました。今回ご紹介させていただくWEB研修会も、PTAの方が主体となって実施した事例としては日本初(?)と言えるのではないかなと思っています。今回はそんなチャレンジをどのように進めてきたのかの一端をぜひご紹介させてください。

オンライン化の波へチャレンジする人、しない人

今年は何といっても一気にきたオンライン化の波にチャレンジした人と尻込みをしてしまいなかなか一歩踏み出せなかった人がはっきり分かれた1年だったと言えるでしょう。

 

研修などの人が集まる場も次々にオンライン化され、新たな「集まり方」の体験を重ねた人も多いはず。そんな中で私にも「オンラインで人が集まる場を作ってみたい!」という方とご一緒させていただける機会が増えましたし、首都圏近郊以外の場所から依頼をいただくケースも増えました。

 

その一つが、今回ご紹介させていただく札幌市東区PTA連合会の皆さまです。これまでも年に1度は対面で研修を実施されていたそうですが、新型コロナの影響を受け、オンライン化にトライしてみたいとお声かけいただきました。

 

しかも初にして100名近くが集まる場にトライしてみたいということ。 12月のWEB研修会開催のために8月から一緒に準備を進めてきました。

日本初⁉ かもしれないPTAが主体となる場

今回、私が非常に心惹かれたポイントは、学校や先生からの依頼ではなく、PTAの皆さんが主体となってこの場を開こうとしていたところです。新型コロナの影響で先生方が授業をオンラインに切り替える場面は多々出会いましたが、PTAの活動で大きくオンライン化のチャレンジをしている場はまだ少ないのではないでしょうか。

 

「例年通り」が通用しない今、何を選び、実行に移すのかが問われる局面で「やってみよう」の後押しに参加させていただけることがとても嬉しかったです。しかも半数は「Zoomが初めてです!」という方ばかり。私自身もオンラインの経験はあるものの、100名近い場は数多く経験しているわけではないので、「全員での新しいチャレンジ」が始まりました。

最初に構想を練る話しあいをしたときのグラフィックレコーディング

また、今回は株式会社たがやすのグラフィックレコーダーさよさんとご一緒させていただいたので、打ち合わせ や当日もグラフィックレコーディングを活用した場にすることができました。(いつもありがとうございます!)

Youtubeの視聴→Zoomでの研修という反転学習

今回の研修は2段階で実施しました。

第1段としてYoutubeにWeb研修動画をUP

最初はYoutubeにWEB研修動画をUPして、それを視聴してもらうという形式です。Zoomでの研修は実施日が決められているため、PTAの皆さん全員が参加することはできません。しかし、視聴形式だとご自身の都合に合わせて学んでいただくことができます。

北海道教育大学札幌高特別支援教育専攻 准教授の齊藤 真善さんとナビゲーターとして女優の千堂 あきほさんがやりとりする動画になっています。*期間限定の動画のため、現在は見ることができますが、一定期間が過ぎると配信終了となる予定です。

 

 

それぞれ工夫を凝らして、小学校のお子さんがいる家庭向けと、中学校のお子さんがいる家庭向けに動画を製作されていらっしゃいました。これを11月から12月の研修実施までの間、自由に視聴していただきました。

第2段としてZoomを使ってWeb研修会を実施

私が主に担当させていただいたのはこちらですが、保護者の方達にZoomに集まっていただき、Youtubeに出演されていた斎藤先生のお話を伺って、小グループで対話をするという形式での研修を行いました。

 

当日話し合いやすくするために5~7名ずつ、計12グループの小グループに分かれて話し合いを行いました。この話し合いをスムーズに行うことができるよう、各グループにボランティアで進行役、そして研修の収録集を作成するために記録役、そして話し合いがしやすくなるようにグラフィックレコーダー役をお願いして進めました。*別記事でもご紹介しますが、グラフィックは私たちの方でボランティアの方を探し、進行役や記録役はPTAの方たちの中で手を挙げていただきました。

進めていくプロセスそのものが協働しあう関係づくり

オンラインの場を主催したことがある人なら実感していると思いますが、、オンラインの場は極端に少数な場を除いて1人で主催することはほぼ不可能です。特に参加人数が多ければ多いほど、「一緒に場を主催する」に関わる人の数が必要で、例えば

  • メインで進行する人
  • 遅れてきた人をフォローする人
  • チャットで質問のやりとりをする人
  • ログインできない人のフォローなどを裏で対応する人
  • Zoomのブレイクアウトルームの作成などテクニカルな面でリードする人

ざっと考えてもこれくらいは必要です。さらに今回はプログラムに小グループの話し合いを入れていたので、先に記載した通り進行、記録、グラフィックレコーダーの方とかなりの人に事前準備に携わっていただきました。

 

それぞれの役割の人と打ち合わせや、プログラムの確認を含めたリハーサルを実施して当日を迎えることになるので、100名の対面の研修を実施するよりも準備する時間や関わる人数は多くなります。しかし、この「いろんな役割の人が話し合いながら進めていくプロセス」そのものが、札幌市東区PTA連合会 の協働体制を作っていくことであり、丁寧に準備したおかげで私自身も安心感を持って当日望むことができました。

 

オンラインの場づくりは手間をかけたくない、効率よくやりたい、短期間でなんとかしたい人には向きませんが、いろんな人と協力しあって進めたい、徐々に進めていく道のりを楽しめる人にとっては大きく力を発揮するもの。今回のPTA連合会の皆様のように、一人ひとりができる範囲で貢献しあっていこうという土台のある組織では、大きな価値があるのだということを体感しました。

当日使用したスライドの1枚。こういう流れで2時間を進めました。

未知の領域で、手を挙げられる人が本当のイノベーター

今年のオンライン化の流れの中でオンラインの場に参加してみよう、主催してみようという気持ちになった人は多かったと思います。しかし、まだ誰もやっていない中で最初に「やってみよう!」と声をあげることは「皆がやっているから私たちも」という気持ちとは少し違う。 札幌市東区PTA連合会 の皆さんは、「他のPTA連合会でやっているからうちも」ではなく「自分たちが最初に」ということで取り組まれました。

 

子育ては学校だけでもなく、家庭だけでもなく社会全体でするもの。コロナ禍で、人が集まる場が次々にキャンセルになっていく中、「今の状況でできること」に目を向けて実践された皆さんとご一緒させていただき「この仕事をしていてよかったなぁ」と強く実感しました。

 

今の仕事をしている以上、例えばいろんなツールを使いこなしてオンラインの場を設計する、という場面もあるのですが、個人的には「まだファシリテーターやグラフィックレコーダーの実践」が広くいき渡っていないところに入っていくことが好きなのです。

 

教育のイノベーションは、PTAから始まっていくのではないか?という予感を感じるようなWEB研修会でした。また別記事にてどのように準備して進めてきたかも記載させていただきたいと思います。

 

当日5〜7名ずつ 12グループに分かれて話し合いする時間を持ちました。その時に描かれたグラフィックレコーディングの1つ。

 

< オマケ >  調べていてこんな記事も見つけました。今回のような取り組みにもっとスポットライトが当たって欲しいと思います。
コロナ禍のPTAは前年通りをやめても全然大丈夫だった 今こそ探る「学校と保護者に本来必要なこと」

 

 

具体的にどのように場を作っていったかの実践にも関心がある方はこちらもどうぞ!

【実践編】ZOOMを使った大人数の研修会を開きたい方へ WEB研修会の実施プロセスを大公開!

 

*2021/03/16 Update* その後、研修大会の集録レポートが公開になりました。 どのように準備・実施したかのレポートや、当日のグラフィックレコーディングが入ったレポートが公開されています。今回のような場に関心がある方にとって、大いに役立つ内容かと思いますので、ぜひこちらから見てみてください。(2021年5月末までの公開だそうです)

この記事を書いた人

玄道 優子 ー 対話支援ファシリテーター

「自分の本音に気づき、それを大切に生きる」ための対話支援ファシリテーター。対話の場を設計したり、主催したり。いろんな組織の「大切な話し合い」をサポートします。現在、力を入れているのは #わたしのリズムを生きる 対話のプロジェクトを進めること。

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