シナリオプランニング × Miro 未来のウェルビーイングを探求するワークショップを開催しました!
2022年7月27日
今回はMiroを使ったオンラインワークショップの事例です。先日ウェルビーイングを探求する北大のコンパスプロジェクト (ホームページはこちら) の中で、シナリオプランニングをベースにした「ウェルビーイングな未来を描く」ワークショップを実施させていただきました。このプロジェクトや、実施した内容についても少しご紹介させていただきます。Miroを使ったワークショップに関心がある方、未来に向けての対話に関心がある方向け。
日常に「ウェルビーイング」を散りばめる
私のブログでは何度かご紹介しているのですが、北海道大学の教育プログラムとして開催している、ウェルビーイングを探求する「コンパスプロジェクト」。2020年度のプログラム1期のときにコアメンバーとして関わらせていただき、2期と3期(※今回) は特別講師としてご縁をいただきました。
このプロジェクトが始まった2年前より、今の社会では「ウェルビーイング」という言葉が広がってきているのを実感しています。もちろん、私自身が意識するようになったから、これまでよりも目に入りやすくなった側面もあるかもしれませんが、本の数、イベントの数を考えてみるとやはり2年前とは大きく差がありますね。
以前の記事でもご紹介したのですが、ウェルビーイングは「1回講座にでたら分かる!」というものではなく、あくまで自分にとってのWell (良い) Being (状態、在り方) はどんなものだろうか?という問いかけを持ちながら、探求していく必要があるものです。
人によっては身体の健やかさに重点を置くかもしれないし、人によっては内面の充実を優先させるかもしれません。日常の幸せや喜びに敏感になる人もいれば、悲しみや別れのプロセスの中にウェルビーイングの芽を見つける人もいます。
ウェルビーイングな未来を望むからこそ、「共に話す」
今年度は5~8月までの4ヶ月でプログラムが開講されており、4回目の「ウェルビーイングな未来を描く」という回を担当させていただきました。
突然ですが「10年後のことを思い描いて下さい」とか「10年後はどうなっていたいですか?」と聞かれて、みなさんだったらどう答えますか? 特にコロナ以降、「10年後どころか1ヶ月先だってどうなっているか分からないよ」と感じていたりしませんか? 実は、私自身がそうでした。
未来のことは、思い描くのが難しい。
だからこそ、誰かと共に話す価値があると思うのです。 今回はシナリオプランニングという未来の可能性を描くための手法を短時間で体験できるようにアレンジしてオンラインワークショップを実施させていただきました。
シナリオプランニング × Miro で描く未来の兆し
本来のシナリオプランニングは、かなり手順が多く、数日または少しずつワークショップ形式で何日かに分けて実施することが少なくないのですが、今回は簡易的に実施するために以下のステップのみで行なっています。
- 変化の兆しを集める
- 書き出した兆しを不確実性 × 影響度のマトリクスに当てはめる
- 不確実性が低く、影響度が高いものを特に注目しながら「10年後の日本におけるウェルビーイングな暮らしとは?」というテーマで話し合いをする。
- より話したいテーマを選んで「10年後の日本におけるウェルビーイングな暮らしとは?」というテーマで話し合いをする。 (お金・学び・働き方・食文化・ジェンダー意識・AI,メタバース)
進め方としてはMiroを使って付箋に自分のアイデアを書き出しながら実施しました。
Miroを使うと「話したい人は話す、書きたい人は書く」、思いつかない時は「ボーッと他の人が書いているのを見る」など参加方法が一律でなくても良いところが好きです。
シナリオプランニングに関心がある方は株式会社スタイリッシュ・アイデア さんのホームページを見ていただくと分かりやすいと思います。シナリオプランニング実践ガイドブックを無料でダウンロードできたりとかなり充実した情報共有がされています。
未来を描くことで掴めるもの
私自身がシナリオプランニングの講座を受講していたときに学んだことは、シナリオプランニングは「未来のためのインプット」をする方法で、そこから自分の在りたい姿を考えたり、健全な危機感を持つきっかけにするもの ということ。
もし、未来について「ただなんとなく漠然と不安や危機感」を持っているとしたら、それは未来を知るためのインプットが足りない状態とも言えます。働き方の未来についてたくさん考えることができていたら、仕事でなりたい自分は描きやすくなりますし、お金 (=価値交換) について考えることができていたら、どのように社会の中で自分を活かしていこうかということを描きやすくなります。食について考えることができていたら、明日から自分の食卓が変わるかもしれません。
私たちの未来は一人ひとりの「こんな未来にしたい」という気持ちの集合体ではないでしょうか。そんな未来を少しでも「ウェルビーイング」な未来に近づけていくために、コンパスプロジェクトでのワークショップもその一歩に慣れていたら嬉しく思います。