ファシリテーターをどう選ぶ!? 領域とタイプから選ぶファシリテーターとの出会い方

2022年3月16日

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今回は「ファシリテーターのタイプや選び方について」の記事です。近年、ファシリテーションの意味合いが広がっており、私が得意ではないタイプの仕事の問い合わせもいただくことが増えてきました。ファシリテーターが増えることは良いことだと思っているのですが、ミスマッチを減らすためにも、選び方と私自身が何を得意としているタイプなのかを併せてご紹介していきます。

ファシリテーターが増えている!?

近年、ファシリテーターの意味合いはどんどん広がっている実感があります。私は10年くらい前からファシリテーションについて学び始め、仕事にして7~8年くらいなのですが、会議のファシリテーターからプロジェクトのファシリテーター、はたまた社会変革ファシリテーターまで、さまざまなタイプのファシリテーターが増えています。


さまざまなタイプのファシリテーターが増えたということは、ファシリテーターを探す側としては選ぶ基準や視点を持たないとミスマッチが起きやすくなったということでもあります。実はここ数年、以前よりも「この案件は私が適任ではない気がするな…」と感じてお断りさせていただく問い合わせが増えてきました。


せっかくなので、私自身の強みと弱みを伝えるためにも、ファシリテーターのタイプと選び方についてご紹介してみます。

「ファシリテーター」と聞いたら何ができる人のことを思い浮かべますか?

まず、ファシリテーターという言葉を聞いたときに、皆さんは何ができる人のことを思い浮かべるでしょうか? 「司会をしている人?」「 会議がうまい人?」「 ワークショップをやっている人? 」 この「何ができる人のことを思い浮かべるか?」の認識の違いは、ファシリテーターを探して依頼するときのミスマッチにつながります。

ファシリテーターは私の言葉で説明すると、集団活動がゴールに向かいやすくなるためのサポートをする人のこと。プロジェクトなどの長期的なものから、会議などの話し合いまで、場の流れなどの手順を設計、進行をしたり、視点が変わるよう問いかけたり、その場を見てよりその場にいる人が、話しやすく、聞きやすくなるように関わったりします。イメージ図で表すと下記のような感じ。


人によって司会をしている人を「ファシリテーター」と認識する人もいれば、全体設計力がある人を「ファシリテーター」と認識する人もいます。ファシリテーターを探すときには「どれくらいの視野で関わってもらいたいのか」という視点をぜひ意識してみてください。プロジェクトを立ち上げるサポートをして欲しいなのか、難しい話し合いを中立的に進められるようサポートして欲しいのかは随分違います。

私は、上の図で青い矢印で示している、プロジェクトの進め方から、各回のプログラム設計、当日の進行なども全て「ファシリテーション」と捉えているタイプ。実は、前職はERPコンサルタントという、企業に基盤システムを導入するサポートをするプロジェクトベースの仕事だったため、ファシリテーターとなった今も中〜長期視点で考える傾向があります。

どんな領域を学び、経験があるのか?

次に、ファシリテーターを探すうえで考慮しなければならないことは、「どんな分野のファシリテーションを学んで、経験がある人なのか」ということ。「デザイナー」と言ってもどの分野のデザイナーなのか、「フォトグラファー」と言ってもどんな写真を撮るのが得意なタイプなのか、ということがファシリテーターにも当然、あります。

ざっと私が思いつくところを書き出してみました。ファシリテーション自体が、様々な分野から発展をしているため、どの分野でファシリテーションに出会い学び始めたのかによって、その人のスタイルや経験値が変わってきます。私自身は、NPO活動をしていたときにファシリテーションに出会い、ファシリテーションの学びとしては、心理学系や国際交流系から派生したものが多く、経験値としては組織開発などの企業領域が最も多く、次が市民対話の場、今後力を入れたいのが国際協力の場です。

バックグラウンドやどんな学び方をしてきたのかということは、それこそ「建築デザイナーなのか」「UXデザイナーなのか」くらいに違いがあることだと思っています。もし、これを読んでいる方が「ファシリテーターを探したい」と思っているなら、自分が呼びたいと思っている現場の経験値がある方を探してみてください。

意外と大事なのが、どんな価値観を持っているか

ファシリテーターの選び方で意外と大事!?なのが、「どんな価値観を持っている人なのか」ということ。とは言え、ここはある程度知り合っていないと難しいところではありますが…。ファシリテーターの価値観は話し合いに大きく影響します。例えば「沈黙は何も進んでいないことだ」と考えているタイプのファシリテーターはよく話しますし、「沈黙は皆が考えている時間だ」と捉えているファシリテーターはある程度静かな時間も待ちます。課題解決思考が強いファシリテーターは「できていないこと」に意識を向ける質問を選ぶ傾向がありますし、ポジティブアプローチ思考が強いファシリテーターは「できていること」に意識を向ける質問を選ぶ傾向があります。

外向的なタイプは参加者同士がたくさん話すように設計する傾向があり、内向的なタイプは一人の時間をとる設計をする傾向があります。また、人の学び方には視覚、聴覚、身体感覚とあり、得意なものでプログラムを設計する傾向があります。

同じプログラムを実施したとしてもファシリテーターの人となりで場はガラッと変わります。自分の現場に来てもらうときに、相性が良さそうな人、または発見をもたらしてくれそうな人を選べると良いですね。

私自身のファシリテーションスタイル

最後に、いくつかの視点で私自身のファシリテーションスタイルを、図でお伝えしておこうと思います。(特に私のスタイルに関心がない人は飛ばしてください!)

「 AかBか?」というものではなく、どちらも両立するものなので、あくまで傾向であることを忘れないでください。

前述ですが、元々プロジェクトベースの仕事をしていたので、ファシリテーターとしては長期的な視点が強く、事前にプログラムも細かく考える傾向にあります。コツコツブログを書いているところからお分かりのとおり(?)、自分の考えを言語化していくのが好きな内向的なタイプで、ファシリテーションのスタイルはリードせずに待つことが多いです。 ( 繰り返しますが、傾向の話をしているので、もちろんどんどんリードすることもありますよ!)

学びの傾向としては視覚→聴覚→身体感覚、なので私の場は可視化を意識して設計するものが多く、身体感覚のワーク(踊るとか、インプロをするとか) は少ない傾向があります。更に、IT系にも強いため、オンラインツールを使って中〜長期的に人の習慣を変えていくようなプログラム作りが好きですね。

いかがでしたでしょうか。いろんな領域のファシリテーターがいるんだなと感じていただけたら幸いです。そして検索して私を知ったという方が、私自身のファシリテーションのスタイルについても少し把握してもらえたらいいなと思っています。

ファシリテーターが何をする人なのか知りたい方はこちらもどうぞ

この記事を書いた人

玄道 優子 ー 対話支援ファシリテーター

「難しい対話を見えやすく、触れやすく。小さな声を掬いやすく」自分の生きる場を他人任せにしない人に向けて、「これをやりたい!」を生み出せる場づくりを支援します。ITコンサルタントからキャリアチェンジ/多国籍やオンラインの場づくり/Miro革命出版準備中  /IAF Japan chapter 理事

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