オンラインでの対話の可能性を探求中!チームで開くオンライン版OSTの開催レポート

2020年5月10日

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オンラインで対話をすることに関心がある方へ

今回は、最近私が力を入れて探求・実践しているオンラインの対話の場づくりのレポートです。自分で主催をすることもあるのですが、先日の記事でもお伝えした通り、最近はtomoniというチームで実践を繰り返しています。現在、テーマを変えて何度かOSTという方法で対話をする場を開いているため、そちらの様子をレポートさせていただきます!

オンラインで、対話はできる!? 

ここのところ、オンラインのイベントは増えてきていますが、多くのイベントは「配信型」であり、対談の様子を配信したり、授業を聞いたりと「情報を受け取る型」のものになっています。もちろん、「見るだけ」「聞くだけ」と気軽に参加できるのもオンラインの良さではありますが、普段ワークショップをやっている以上、もう少し双方向的な場をやってみたい!!ということで、実践を重ねています。

 

特に、オンラインでは対面の時より自由に対話をすることが難しい印象がありますが、今回Spatial chatという参加者が自由に動き回ることができるツールを発見したので、いち早くワークショップに取り入れてみました。

 

このツールの面白いところは、近くの人の声は聞こえる、自分で遠く移動すると声が遠くなっていき、一定の距離離れると声が聞こえなくなる、という様に声の聞こえ方が対面に近くなる様にデザインされているところ。

オンライン上で「対話」は出来る!?
実際の画面がこんな感じ。周りのグループの声は薄ら聞こえる程度です。

 

Zoomなどのビデオツールは誰かの話を聞くのには良いと思うのですが、皆で対話するにはあまり向かないと思っています。 オンラインでもぜひ対話の場づくりがしたいと思っている私にとって、Spatial chatは心強いツールです。

チームでやればここまで出来る!

このツールの良いところは、画像をアップロードする、画面共有をすることでスペースのデザインができるところです。例えば、対面のワークショップでも、行うワークの手順を模造紙に書いて壁に貼ったりしますよね?それをこのスペースで行うことができるのです。

 

実際の様子。OSTの原則を貼り出したり、Rest Spaceを作ったり。

 

こういう「対面でも行っていたスペースの工夫」を主催者が行えるので、ファシリテーターの設計力を活かしやすいツールと言えると思います。 また今回、主催はtomoniの3名でしたが、+4名のグラフィックレコーダーの方にご協力いただきました。 私ともう一人で進行、タイマーのセット、画面共有などを行い、残りのメンバーはOSTの話し合いでグラフィックレコーディングをしてくれました。

 

実際の様子。グラフィックレコーディングを見ながら (乗りながら!) 話し合いをすることができました。

 

OSTでは、参加者同士でテーマを自由に出し合い、グループも自由に組んで話し合いをします。時間内では、どのグループの移っても良く、「このグループの話し合いに今、本当に関心があるかな? 貢献できているかな?」と、自分の気持ちに沿って動くことが推奨されるため、他のグループの様子がほんのり分かること、も大切な要素の1つだったりします。

 

今回は、グラレコを使うことで、「他のグループの話し合いの内容がなんとなく分かる」という状態を作り出すことができました。また、先に書いた通りSpatial chatは別の話し合いをしているグループに近づくと、薄ら声が聞こえる (=雰囲気が伝わる) ため、対面の時の様に自由に動いて、話し合いをすることがしやすくなったのではないでしょうか。

オンラインだからこそ可能になること

オンラインにはオンラインならではの良さがありますが、記録の残しやすさはその1つ。 今回は、グラフィックレコーディングを行ったので、参加者の方に終わってからすぐにボードを共有しました。

一部ですがこんな感じです。

 

今後、一般公開用ボードを作って参加しなかった人もコメントを残せる様な工夫があると、オンラインならではの仕組みとして面白いなと思っていて、そちらも検討を進めているところです。

 

個人的には、オンラインの直接参加していない人とも薄くやりとりできる点は、もっと注目されて良い価値ではないかなと思うんですよね…。例えば、企業内で今回の様な話し合いを行って、コメント、意見をユーザーの方にもらうということもできるはずですし、他国の人と話し合うことだって可能になりますよね。

 

また、今回Spatial chatが新しいツールということもあって、イベントの開始前にFacebookグループを作り、ログインのテストをしてもらいました。その中でも既にお互いに「この設定だとうまくいきました、これだと難しかったです」というやりとりがあったり、終わった後も感想のメッセージをやりとりしたりというコミュニケーションも温かくて、なんだかいいなぁと感じています。

 

オンラインだと対面と異なって、「いきなり始まって、いきなり終わる」が出来てしまうので、始まりと終わりにテキストでコミュニケーション→オンラインのツールも早めにログインしてやりとり→終わってからも自由に話、というようになだらかさがあるといいですね。

開催してみた実感

私はオンラインのワークショップはITツールに慣れた先の世界があると思っていて、現時点ではいろんなオンラインワークショップは、参加者全員が使用するツールに慣れている場合を除き、操作に意識が向いていて、対話にフォーカスしづらい感覚がありました。

 

ただ、Spatial Chatは他のツールよりも操作が簡単なため、他のオンラインの場よりも話し合いに十分意識を向けられたのではないかと感じています。他で実施した時よりも話し合いの内容に深まりや、気づきが起きていた印象を受けました。

 

また、ログインしたらいきなり知らない人の顔がアップデ写る他のビデオツールと違って、なだらかに人に出会っていくことができるので、イベントが終わってからも動き回って「ありがとうございました」といろんな人に声をかけてからログアウトしている人が多かったですし、話をした人と「対面で会いたくなった」と言っている人もいました。

 

対面でも会いたくなる人や対話の場が出来たとしたらそれはすごく嬉しいこと。この先、「暮らし」「学び」というテーマでも実施する予定なので、ぜひ関心がある方はご参加ください。近日中にこちらのページでイベントページを作る予定です。

 

これらもtomoniでオンラインの対話の場づくりは色々と実践を重ねていくつもり。引き続きよろしくお願いいたします!

 

 

< おまけ  動きだけ(音声付きだと話が聞こえちゃうので笑) ですが、Spatial chatはこんな感じです > 

Special Thanks!

 

今回、以下の方にグラフィックにご協力いただきました!ありがとうございました!

この記事を書いた人

玄道 優子 ー 対話支援ファシリテーター

「難しい対話を見えやすく、触れやすく。小さな声を掬いやすく」自分の生きる場を他人任せにしない人に向けて、「これをやりたい!」を生み出せる場づくりを支援します。ITコンサルタントからキャリアチェンジ/多国籍やオンラインの場づくり/Miro革命出版準備中  /IAF Japan chapter 理事

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