IAF理事田原さんに聞く デジタルファシリテーション構想とファシリテーターの未来(後半)

2021年2月1日

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これからのファシリテーターに必要な視点とは?

この記事はIAF理事田原さんに聞く デジタルファシリテーション構想とファシリテーターの未来(前半)の続きになります。配信イベントの内容の概略をテキストでも読みたいという方向けにまとめているものなので、動画が観たいという方は記事をすっ飛ばして一番下の動画を観てください!

流動性がキーワード 終わらないコミュニケーションをデザインする

前回の配信(記事)ではオンライン化に伴い、ファシリテーターが関わる要域はイベントからプロセスデザインへの意味合いが強くなっているという話をしました。

 

1日の研修が数回のオンラインに、3泊4日が半年のオンラインプログラムになっていくように「始まりと終わり」が明確なものから、徐々にそれが曖昧になり「続いていく」または「終わらない」ことすら意識していく必要があります。その時に、ファシリテーターはどんなことを意識していると良いのでしょうか。

 

*ここからは上の図を見ながら読んでください*
スタートの段階ではいろんな人たちがオープンな場に参加し、できるだけありのままの自分自身を語りやすくなるようにサポートするのがファシリテーターの役割。そして、そこに共鳴した人同士がつながり合い、そのつながりやお互いの興味関心の中でさまざまな研究会などのグループが立ち上がり、そこから公的なアウトプット(講座でも出版でも団体でも)へつなげる。この全体のプロセスの舵取りや見守りをデジタルファシリテーションと定義づけているそうです。

 

さらに田原さんはこれを学び1.0〜3.0という表現を使って説明してくださりました。

学び1.0    主にコンテンツを学ぶこと(過去の蓄積から学ぶ、というように)
学び2.0    内発衝動から何かを語り、そこから学び合うこと 
学び3.0    1.0と2.0を行き来しながら学ぶこと  内的な真実から学びあい(2.0)、それを品質化していく(1.0) ことを繰り返し、それが循環していくことを指します。

これまでは1つのサイクルが長かったので、学び1.0に重点が置かれがちだったものの、今では社会のサイクルが早くなり、1年のうちにこのサイクルがいくつも回るということすら起きてきている。だからこそそのプロセスに意識的なファシリテーターの役割が大切になってくるのです。

組織の重心がシフトする!?

 

また、私が今後キーワードになるのでは?と感じた点は「組織の重心がシフトする」という話。

 

上の図は「混沌と秩序」という本の中で触れられている概念を記載したものなのですが、今までの組織はどちらかというとカオスよりは秩序よりで、先程の学びのサイクルで言うと学び1.0の色が濃かったのですが、(そして秩序に寄りすぎたときに、組織開発で少しゆるめてカオス寄りに近づけて、再び秩序へ向かっていくというサイクル)、先程学び3.0と言う概念でご紹介した、サイクルが回り続けるようになると、組織の重心自体が常にカオスと秩序をくるくる回るような場所に位置してくると言う訳です。 

 

ファシリテーションはイベントから、より中〜長期的なプロセスデザインへ。そして学びの3.0のサイクルを回すことで組織としての基盤、重心すら変わっていく時代にいるということ。学びは非日常の場で、それを日常に活かすのではなく、だんだん「学び」という枠組みすら溶けていって日常の中で学びがあるようにシームレスになっていくのかもしれません。

同時多発性の出現

動画の後半では「同時多発性」の出現というキーワードでお話を伺いました。ここまでの話の中で上がっているデジタルファシリテーションの中でも、田原さん自身は、コミュニティを開くときの最初の「この指とまれ」という声をあげ、人を集めるところが得意な方なのです。

 

それをどのようにしているか伺ってみたのですが「昨年、これがウケたから」というように考えるのではなく、Facebookなどで少しずつ気になるトピックについて発信していき、皆がパッと反応するものに対して「この指止まれ」をしているのだそうです。

 

この図の一番左の点の1つを感覚的に探り当てる、という感じ。これを田原さん自身は「集合的無意識に集合をかける」と表現していらっしゃいました。昨年の世界的なオンライン化に伴って、自分のファシリテーションが変わってきたな…となんとなく感じている方は多いはず。今回の配信もたくさんのファシリテーターの方に聞いていただくことができましたし、1つの点になるような時間だったのではないかと思います。

配信された動画はこちら!

今回の記事も下記の配信イベントで話された内容の概要をテキストでも読めるように記事化したものです。全てをテキスト化しているわけではないので、上記を読んでみて関心が湧いた方はぜひこちらの配信動画を見てみてください。

 

※分かりやすいように大体の内容のタイムラインを載せておきます!

配信開始は2分40秒から! 最初の時間は準備中につき無言です。
02:40 はじめに (前回の配信について振り返り
04:48 デジタルファシリテーションとは -終わらないコミュニケーションをデザインする-
12:23 組織の重心は混沌と秩序のサイクルへ
13:59 学び3.0の役割
16:06 視聴者からの質問返し
22:36 参加者の自律的を生み出すサポート
27:30 ‘同時多発的’出現
35:10 学びと日常のシームレス化
38:22 時代は ‘チームファシリテーター’
41:30 アートオブホスティングのオンライン化
48:10 システムと実情の不一致
53:57 出現する参加型社会

 

IAF Japanとは?

今回のイベントはIAF Japan Chapterのイベントとして主催しました。IAFとはThe International Association of Facilitatorsの略で、国際的なファシリテーターの学びのネットワークです。日本の情報は主にこちらのFacebookページから配信されています。

この記事を書いた人

玄道 優子 ー 対話支援ファシリテーター

「自分の本音に気づき、それを大切に生きる」ための対話支援ファシリテーター。対話の場を設計したり、主催したり。いろんな組織の「大切な話し合い」をサポートします。現在、力を入れているのは #わたしのリズムを生きる 対話のプロジェクトを進めること。

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