ウェルビーイングを高めるには、自分自身の「好き」を知り、大切にする方法を選ぶこと

2020年9月30日

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自分らしい心地よさを大切にしたい方へ

今回は、以前こちらの記事でご紹介させていただいた北海道大学コンパスプロジェクトの2回目の開催レポートです。「私にとってのウェルビーイング」をテーマにオンラインでワークショップを実施したので、オンラインでの対話や「自分らしい心地よさ」に関心がある方はぜひ読んでみてください。

自分のウェルビーイングを高めるためには、私の「好き」を深めること

前回の記事では、ウェルビーイングとは良い状態のことを意味し、身体的、精神的、社会的に健やかに過ごせている状態・内面的に満ち足りている状態とご紹介しました。このプロジェクトは様々な観点からウェルビーイングを探求していく1年間のプログラムなのですが、2回目の今回は、「私にとってのウェルビーイング」をテーマに偏愛マップを作って少数グループで紹介し合うというワークを実施しました。

 

偏愛マップとは?

自分が大好きなものを書き込んだマップのこと。作成して、お互いに紹介し合うことで相手との共通点を見出したり、親近感を感じたりと、打ち解け合うきっかけ作りに使われることが多いようです。偏愛マップで検索するといろんな方が作成したものが画像で出てくるので、ぜひ見てみてください。

コンパスプロジェクトは今のところオンラインで進めているため、この偏愛マップも事前にPadletにアップしていき、当日の紹介し合うという進め方で行いました。参加者向けに全員の自己紹介をPadletにアップロードしてあるのですが、そこに事前課題をアップしていきました。

 

ボードは参加者向けなので、コアチームの一部の方だけのものを許可をとってご紹介。偏愛マップは写真を貼ったり、手書きで描いたりと様々なスタイルで作成しています。

 

当日までに、徐々にそれぞれの偏愛マップがアップロードされていき、それを眺めるのも楽しかったです。 他の人のマップを見て「あ、そういえば私もそれが好きだった!」と思いついたり、「これってなんだろう…?」と関心が出たり。 当日は3名ずつ20分くらいの時間をとって共有しあったのですが、相手のことを「知った」感覚が強くなってこのプロジェクトに居場所ができたように感じられました。

 

偏愛マップを2回目に実施する良さ

普段、このブログは対話やファシリテーションについて書いているので、ファシリテーター目線で気づいたことを1つ書いておきますが、今回この偏愛マップはプロジェクトの2回目に実施したことが効果を挙げているように感じました。私が過去に参加した場では、偏愛マップは初回にお互いを知り合うという意図で実施されていることが多かったのですが、1回目を経てお互いにもっと知りたいたいなという気持ちが湧いた2回目でゆっくり実施することにより、相手の好きなことをしっかり聞いて受け取ることができていたように思います。

ウェルビーイングを高めるために、「何を一緒に話したいだろうか?」

偏愛マップを共有してから、話す中で心に浮かんだこと、ここにいる人と話してみたいと思ったことなどをテーマにあげ、話してみたいテーマごとにブレイクアウトルームを作って話す、という時間を取りました。 上がったテーマなこちら。

  • 前に進みたい自分と、ゆっくり休みたい自分、どうバランスをとっていますか?
  • ウェルビーイングを阻害する人、高める人ってどんな人?
  • ウェルビーイングに関連する情報(動画や本など)をもっと知りたい!
  • 自分のウェルビーイングと相手のウェルビーイングを両方大事にするには?
  • 学校はウェルビーイングな場?

私は、ウェルビーイングを考えるための視点がもっと欲しいなと思っていたので、いろんなウェルビーイングの情報交換 (+そこから派生してどうしてこれが良いと思ったのかを話す) のグループに入って話をしました。日本人はウェルビーイングを感じる要素として、他国の人より「他者」の存在が高いそう、という話から派生して、共感するとはどういうことだろうか?に話が及んでいったところがとても面白かったです。

 

毎回、終わった後に少し「放課後タイム」として残って話したい人が話す時間を作っているのですが、その中でもここで上がったテーマの続きを話していたのも印象的でした。「良い状態」という一見、簡単に見えそうなことをいろんな角度から探求してみることは、日常をより豊かに眺められる視点を手に入れることだなと感じています。

 

せっかくなので教えてもらったものの一部を共有

The Science of Well-Being というオンラインの講座や (なんと無料で見れるそう) 、下記の本などを教えてもらいました。

 

  

ちなみに私が個人的にウェルビーイングを考える上で好きなTEDはブラネー・ブラウンの「傷付く心の力」アイヴァン・ジョーゼフ |の「自信というスキル」 です。タイトルにピンと来るものがあったらぜひ見てみてください。

私なりの実践 〜自分の仕事に100点をつける!〜

このプロジェクトは、1年をかけて進むので、ワークショップの合間の普段の生活の中でも「ウェルビーイング」をキーワードに持ちながら過ごしていて、その視点から得られる出会いや自分にとっての気づき、情報をとても楽しんで受け取っています。

 

私がこのプロジェクトを始めてから意識するようにしているのは「自分の仕事に100点をつける」ということ。なかなか出来なくないですか? これは、ウェルビーイングを意識し始めた時に見つけた、下記の記事から視点をいただいています。

 
 

「88点の仕事を、88点って言っちゃダメ」つんく♂が語り尽くす“伸びる若手”の共通項

 
 

プロだったら、「60点」って言うのは美徳なんかな~?と。いつだって「100点でした!」って言ってほしいのよ。お客さんからしてもそうでしょ? 「加点」を、自分自身で見つけ出すことなんですよ。

日本人は、できなかったことを認める「謙虚の美学」は持ってる。でも、できたことを見つけ出すプラス思考ができないんですよ。

 

この記事の中では「ミスがあって自分ではここができなかった」と感じたとしても、「ここができたから(=加点) 100点です」と言える力が必要だということが書かれています。

 

コンパスプロジェクトのワークの話し合いの中でふと思い出して、この記事の話をしたのですが、その時から自分でもちゃんと自分の仕事に100点を付けようと、「ここが出来た」を探すように意識しています。こういう「ウェルビーイング」な自分で居やすくなる習慣も今後もこのプロジェクトを通じて見つけていきたいですね。

オマケ オンラインこそ、いろんな参加方法をデザインする

ここからは少しだけ運営(コアメンバー)の視点の感想を書きますが、私がこのプロジェクトで良いなと思っているところは、なるべくいろんな参加方法を作るようにしているところ。例えば、テーマを自分たちで挙げて話し合いをする場面でも、話し合いに参加せず (=ブレイクアウトルームに移動せず ) その場にいる人の話を聞くという参加方法をOKにしています。

 

進行する側が問いかけたテーマとは「別のことを話したい」と言う声が上がったら、そちらも扱ったり、疲れたら画面OFFにしてもらったり、参加者がなるべく居たいように居ることができるように心がけています。

 

また、参加後も何名かが参加レポートと書いたり、グラフィックレコーディングを共有してくれたり、振り返りのミーティングに参加してくださったりといろんな形で貢献しあってプロジェクトが進んでいる。良い意味で「手間をかけて」一人ひとりの力を発揮しやすくなるよう、仕組みを考えたり、声かけをしたり。そういった一つ一つがこのプロジェクトを育てていっている気がしています。

この記事を書いた人

玄道 優子 ー 対話支援ファシリテーター

「難しい対話を見えやすく、触れやすく。小さな声を掬いやすく」自分の生きる場を他人任せにしない人に向けて、「これをやりたい!」を生み出せる場づくりを支援します。ITコンサルタントからキャリアチェンジ/多国籍やオンラインの場づくり/Miro革命出版準備中  /IAF Japan chapter 理事

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