対話に何が影響するのかを見極める力が場を作る チームで開くオンライン版OSTの開催レポート第2段

2020年5月25日

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オンラインの場を主催する機会がある方へ

前回の記事に続き、今回もオンラインの対話の場づくりのレポートです。先日の記事で紹介したオンライン版OSTの第二段を開催してみました。前回は開催するだけで精一杯だったところもあるのですが、今回は「オンラインだからこそ可能になること」についても考えてみました。

オンラインOST第2段!

前回に引き続き、再びオンラインでOSTを行ってみました。 この企画は実践者集団Tomoniで主催するオンラインの対話の場の探求シリーズとして3回に渡り、開催しています。(前回のテーマは働き方、今回のテーマは暮らし)

 

この場は、現在、オンラインのイベントは急激に増えているけれど、その多くが配信型かセミナー形式(講師が教える形式のもの)であることから、もっと参加者が自律的に参加できて、じっくり対話ができるような場を開きたいなと思って開催しています。 あと、私自身もこれから先のことについて、いろんな人と話したいという気持ちがあるからです。

 

前回に引き続き、SpacialChatというツールとグラフィックレコーディングを駆使して、オンライン上でも対話がしやすくなるように設計して開催しました。この記事ではその様子と、設計の際のポイントをお伝えします。

プログラム設計で意識したこと

今回のプログラムは前回1度チームで実践しているので、前回の振り返りも活かして下記の点を特に意識してみました。

空間を作り込む

私たちがこのイベントでSpacialChatというツールを選んでいる理由のは、参加者の視点からすると「操作のしやすさ」があるのですが、主催者の視点からすると「空間づくりに工夫ができる」という点にあります。 

 

Zoomのワークショップで、主催者が空間上工夫できる余地は背景を変えるくらいですが、Spacial Chatは空間自体を自分たちでアレンジすることができるため、前回に引き続き更に空間上の工夫をパワーアップさせました。

TomoniのオンラインOSTルーム

 

いくつか書かれているカラフルな煙のような模様は、グループを作ってもらう時に「煙の周りに3〜4名ずつで集まって話し合いをしてください」というように使ったり、中央に見えるキラキラした光は、テーマオーナー を募る時に、立候補してもらう人に移動してもらうために作りました。

 

地球の絵は全体集合の場所で、休みたい人は右上のスペースに移動して休憩。Welcomeという文字はSpacial Chatにログインした人が最初に、現れる場所に置いています。(書いたのはtomoniでご一緒しているさよさん です!)

テーマを考えるきっかけを作る

今回のOSTは「これからの暮らし」について他の人と一緒に話したり、聞いたり、考えたりしたいテーマをあげてもらい、話し合いました。少しテーマが広いかなと思って、考えやすくするためのきっかけとして、こちらのレポートの一部を抜粋し、少しの間眺めてもらう時間を作りました。

 

対話以外に思考を使う時間をなるべく減らす

オンラインのワークショップでありがちなのが、ツールに慣れない、環境の準備をしていなかったなどの理由で操作に慣れることに思考を使ってしまうことです。

 

なるべく「話したいこと」に自分のエネルギーや思考を集中してもらうために、事前にログイン用のURL情報や、環境設定についての記事を送っておき、環境のチェックや操作の練習をお願いしました。(もちろん、伝えてもやる人とやらない人がいるので、完全にとはいきませんが…。)

 

また、SpacialChatでは一斉メッセージのような機能がないので、タイマーを表示させて、残り時間が少なくなるとタイマーを動かして各グループを移動して残り時間を知らせにいったり、グラフィックレコーディングで話した内容を書いていって話を深めたり整理したりしやすくしています。

 

 

「これからの暮らし」について話したこと

今回話をしたのは下記の5テーマ。

  • 暮らしの中で困った時、どうやって声をあげたらいいか?
  • 巣篭もり生活が心地いい…変わってしまった生活に慣れて、元の生活に戻れるか?
  • コロナ生活で気持ちが軽くなった・重くなった人のギャップってなんだろう?
  • リアルで”出会う”ってどういうことだろう?
  • 初めて会う人同士がオンラインで信頼関係を築くには?

どれも興味深いテーマだったので、私も時間管理しながら話し合いに参加しました! 

今回もグラフィックレコーディング(絵やキーワードを書き残していくこと)をお願いしました。
全体の様子はこんな感じです。

 

今回は、前回参加してくれて連続参加の人もいたからか(?)、前回よりもグループ間の移動をしている人が多かった印象があります。(OSTは話し合いの間に、自由にグループを変えてOKという原則があります) 「どのテーマも参加したい!」と言っている人も。

 

また、個人的に嬉しかったのは「普段はテーマオーナーをするタイプではないのだけど、今日はやってみようかなと思えた」という方がいたこと。自由度の高いツールを使って設計をすることで、「オンラインならではのハードルの低さ」から対面ではしづらい「トライ」もできるのかなぁとワクワクしました。

ことばはその人の中からその人の力で出てこなければ、力にならない

このブログでは、主催者の視点も織り交ぜて書いていますが、元々は私自身もこれから先の社会について話ができる場が欲しいから主催しています。というのも、今の社会のような混沌とした状況の中を進みやすくするのは自分の中から生み出された言葉だと考えているから。

 

私の好きな本で「市民の日本語」という本があるのですが、その最初の一文に

「ことばはその人の中からその人の力で出てこなければ、力にならないのです」

という文章があり、これを私は自分のファシリテーターとしての指針にしています。

 

コロナ時代に、これから先のことを有識者から聞く場も有益ですが、自分がどうしたいかを対話しながら見つけていく場も同じくらい大切なはず。次回は6日に「学び」というテーマで再び実施予定なので、関心がある方はぜひ参加してもらえると嬉しいです。

 

主催のtomoniのFacebookページはこちら

 

< オマケ > 参加してくれた方が感想をSNSにUPしてくれて嬉しいので、私が見つけた分だけご紹介♪

 

https://twitter.com/colorfulbooks1/status/1264503511082954752

 

https://twitter.com/ueda_yuya12/status/1264213246229143554

この記事を書いた人

玄道 優子 ー 対話支援ファシリテーター

「難しい対話を見えやすく、触れやすく。小さな声を掬いやすく」自分の生きる場を他人任せにしない人に向けて、「これをやりたい!」を生み出せる場づくりを支援します。ITコンサルタントからキャリアチェンジ/多国籍やオンラインの場づくり/Miro革命出版準備中  /IAF Japan chapter 理事

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