世界で活躍するファシリテーターの実戦から学ぶ 〜 海外のカンファレンスへ参加のススメ〜

2019年9月12日

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 他国のファシリテーターの場を体験してみたい方へ!

この記事では、2019年にマレーシアで開催された、IAFのアジア大会(=ファシリテーション実践者による、国際カンファレンス) について簡単にご紹介します。カンファレンスと聞くと足が遠のく方もいると思いますが、お金を払えば誰でも参加することが出来るので、他国のファシリテーターの場を体験してみたいという方はぜひ一度参加してみることをお勧めします。

IAFのアジア大会に参加してきました!

先日、9月6、7日にマレーシアのクアラルンプールで開催されたIAF (The International Association of Facilitators ) のアジア大会に参加してきました。 この大会は世界中からファシリテーターが集まり、実践知を共有し合うカンファレンスです。 この大会は年に1度、アジアのどこかの国で開催され、昨年は日本(大阪)で開催だったので初めて参加し、今年が2回目の参加でした。日本人の参加者は20名ちょっと。 今回は他国での開催ということもあり、同世代の人の参加率が低かったです。ぜひもっと多くの人に国際カンファレンスの存在を知ってもらいたいのと、今後一緒に参加できる人が増えたらいいな〜と思ってこの記事を書いています。

 

 

2019年IAF マレーシア大会
今回の参加者の国旗が書かれた旗。アジア大会なのでもちろんアジアからの参加者が多いのですが、参加自体は世界中から可能です。

 

2019年IAFマレーシア大会の会場
メイン会場の様子。

カンファレンスって何をしているの?

IAFのカンファレンスではプレカンファレンス2日+本大会2日で構成されています。どの日でも、世界中のファシリテーターが発表者となって分科会形式で2時間ほどのワークショップを開催するので、それに参加することになります。 参加できるのは1日の中で2つだけ (午前に1つ、午後に1つ。その前後や間に全員で集まって振り返りをしたり、ミニワークがあったり、オープニングやクロージングのセッションを行います。)

カンファレンス_スケジュール
2日目の午前のスケジュール。事前に登録しているセッションに参加します。

プレカンファレンスは、私はまだ参加したことがないのですが、本大会に比べて人数が少ない分、発表するファシリテーターとも話す時間を取ることができるため、かなり学びの多い時間になるのだそう。 私も次回行く時にはぜひ、プレカンファレンスから参加してみたいなと思っています。 また、今回のマレーシア大会ではカンファレンス用のアプリWhovaが導入されていて、そのアプリを通して自分が参加したいセッションの登録をしたり、大会の運営者とやりとりをしたりしました。

大会の参加中はこのアプリに写真を共有したり、質問やその日の気づきを書いたり。 特に私のように英語を話すのが苦手な人にとっては、アプリがあることで、学びが補完されるので非常に助けになりました。 

 

ちなみに私が今回、参加したセッションはこちらです

  • Unveiling the Secret from Culture to Performance with the Power of Facilitation
  • Gamifying Consciousness
  • Degital + Face to Face: Making technology work for your facilitated session
  • Energizing activities that strengthen, sustain and synergize

WeAeldeas ConsultingのBharti 氏によるゲーミフィケーションのセッション
Kunlaboro LatinoamericaのHector氏によるDigital toolのセッション。彼のセッションはアグレッシブで楽しいです。
全セッション、グラフィックレコーディングが残されます。マインドエコーの香取さんとZoom革命の田原さんのセッションのもの。
これは、システムコーチング のセッションのもの。参加していないけれど、どんなワークをやったのかが分かりますね。

今回はあえて苦手な分野でかつ、ファシリテーターの国籍も過去に参加経験のない(それぞれ台湾、インド、メキシコ、カナダ人)方のものに参加をしてみました。 まだ、もらった資料を読み進めていて振り返りの時間が取れていないので、学んだ内容や教えてもらったツールなどを紹介する記事もそのうち書きたいと思います。 

どんな人が参加しているの?

このカンファレンスですが、参加自体はお金を払って現地に行けば誰でも参加することができます。ただ、もちろんファシリテーション実践者のためのカンファレンスなので、たとえ、英語がペラペラでもファシリテーションが全く分からない人よりも、英語がいまいちだけどファシリテーションが分かる人が参加した方が学びが多いでしょう。

 

 

ファシリテーション実践者が参加しているという前提なので、例えばワークショップ中にケーススタディがあったとき、「XXな状況のとき、あなたならどんなワークをする?」「最近、あなたが担当した事例はどんなの?」「よく使うミニワークを共有してください」など、全く実践していなければ答えられない質問が、セッション中に当たり前にされます。

これは、あるセッションでファシリテーター経験年数がバラバラになるようにグループ決めをする時に書いたもの。

 

また、英語がそこまで分からなくてもファシリテーターの場の設定の仕方、何がワークショップに影響を与えていると思うか、ワークの選び方、設計の仕方、ファシリテーターの在り方そのものなど、言葉を交わす以外で学べることは多いです。 (ただ、当たり前ですけど全然話せないとか、そもそも聞けないとかだと得るものは少なくなってしまいます。)

 

 

参加者の中には、ファシリテーター歴が浅い人もいますが、中にはファシリテーター歴20年以上という人も! 国をまたいで活躍するファシリテーターに会える機会ってそんなにない。だからこそ、他国のファシリテーターの中で参加者になってみる、(または、立候補してセッションをやる側になってみるのも)というのは、ファシリテーションを学びたい人にとっては非常におすすめです。

 

2日目の朝に行ったSharing methodsというセッション。ものすごく面白かったです…!

 

カンファレンスは “恥をかくために” 行っている!?

私がなぜ、海外のカンファレンスに参加しているかというと、もちろん「他国でファシリテーションを実践している人の場に参加して、学びたい」という気持ちや、「プロ中のプロのセッションを体感したい」というところが大きいのですが、1番は「恥をかきに行っている」と言っても過言ではありません。

 

参加者にとってより安心で安全な場を作るためには「自分がマイノリティの参加者」としての経験が欠かせないと思うからです。私は英語がそこまで話せるわけではないので、セッションの中でグループディスカッションになった時に一言しか話せなかった・・・とか英語のスピードが早くなったらついていけなくなった・・・ということが多々起きます。(そして、心の中で泣く)

 

 

日本人同士だと、話していない人がいたら「どう思う?」と他の人が声をかけることもありますが、多国籍の参加者の場だとその可能性は低くなると、個人的には感じています。 自分がマイノリティの場だと、ファシリテーターがしている工夫に気付きやすくなりますし、「この状況で、自分がファシリテーターだったらどうやって場を設計したり、参加者に声をかけたりするかな?」と考えることが、自分の実力に繋がるのです。

 

例えば、これは緑・黄色が裏表になっているカード。?と思ったら黄色をファシリテーターに見せる、進めてOKなら緑を見せる、という感じで使いました。自分がマジョリティの場だともしかしたら「ちょっと小手先っぽい」と感じるかもしれませんが、このセッション、日本人が私1人しかいなくて不安だったので、こういう仕組みのありがたさを実感しました。

 

参加者の多様性が高ければ高いほど、「一見、小手先に見える小さなテクニック」をたくさん散りばめておくことは、参加の幅を高めることが出来ます。

 

たまたまかもしれませんが、過去2回のカンファレンス参加経験を振り返ると、英語が母国語のファシリテーターの方がセッションの時間をオーバーする傾向にあって、これは英語が出来ない人のペースの読みが、実体験がある人よりも甘いからじゃないかなと思ってます。

 

 

関心がある方へ

IAFのカンファレンスですが、来年は地域ごとのカンファレンスではなく、(今回参加したのはアジア大会です)世界大会が開催されるそうです。

 

スウェーデンのストックホルムで2020年10月27〜30日です。 ぜひ行きたいのですが、来年は今自分が進めているプロジェクトが最優先なので、また参加するのは再来年以降になるかもしれません。 その他、カンファレンスなど他国のファシリテーターの場に参加してみたいならIAFのページを見てみると良いでしょう。

 

 

また、そんなに頻度は高くありませんが、IAF Japanでも他国のファシリテーターのワークショップを開催することがあるので、機会があったら参加してみると良いと思います。過去に私も参加してレポートを書いたことがありますが、参加者は日本人なので、困ったら日本語で聞くということができるため、ハードルがそこまで高くないと思います。

 

 

私はこれまで「自分のセッションの良さはどんなところにあるのかな?」と考えてきましたが、カンファレンスに参加するようになってから、「日本人としての良さはどんなところにあるのかな?」と考えるようになりました。また、「ハイコンテキストってどうやって伝えたらいいのかな?」とか「ハイコンテキスト、ローコンテキストの文化を持つ人が心地よくコミュニケーションをとるには?」とか、配慮する視点も以前より広がったと思います。

 

 

今年のアジア大会は他国での開催ということもあり、昨年の大会よりもグッと日本人参加者が減って、特に同世代の人が少ないなぁと感じました。完全に主観ですが、同世代の女性でプロセスのファシリテーターって少ない気がします…さみしい… ( 逆に、グラフィックファシリテーター、レコーダーは多い気がする。ハイコンテキスト文化だから、見えないものを可視化するというところに価値を感じる人が多いのかなぁ? ) 

 

この記事を読んで、1人でも「世界にも目を向けて見ようかな?」と思ってくれる人が増えたら嬉しいです。

 

 

今回の参加者の集合写真。参加者は200名ちょっと…だったかなぁ??

この記事を書いた人

玄道 優子 ー 対話支援ファシリテーター

「自分の本音に気づき、それを大切に生きる」ための対話支援ファシリテーター。対話の場を設計したり、主催したり。いろんな組織の「大切な話し合い」をサポートします。現在、力を入れているのは2020年に開催する、女性向けの対話の場を開くための土台を作ること

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