グラフィックレコーダーとどう組むの? 私が描いてもらうときに伝える主な視点

2021年3月8日

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グラフィックレコーダーと組むときに、どんな風に描いてもらっているの?という方へ

私は場づくりをする上でファシリテーターとグラフィックレコーダーは素晴らしいパートナーだと思っています。最近、ファシリテーター仲間の何名かの方に「グラレコの人と組む時って何をお願いしてるの?」と聞かれたので、今回は私がグラレコの方と組む時に伝えている視点をご紹介します。ファシリテーターでかつグラフィックレコーダーの方と組む機会がある人向けという、数名くらいにしかニーズが無さそうな記事ですが、どなたか読んでください。

グラフィックレコーダーは呼べば何か描いてくれる??

おそらくですが、ファシリテーターの中で「グラフィックレコーダーの人は呼べば何か描いてくれる」と思っている人がいるかもしれません。 最近話をしていた方も「グラフィックレコーダーの方って呼んで、描いてもらって、振り返りに使うくらいしか思いつかないんだよね」とおっしゃっていました。 (なんて勿体無い…!)

 

私は場への影響も考慮できる、何のために描いているのかを自分なりに考えて実践できる経験豊富な方と組む場合は、そのままお任せすることももちろんあるのですが、場によってはプログラムの中でかなり細かく、「ここはこう描いてください」と意見するタイプです。 ( なのでグラレコの方からするとめんどくさいタイプと言えます… )

 

もちろんファシリテーターが全て指示するのではなく、プログラムを含め協働で創ることが個人的な理想なのですが、一旦はファシリテーターが場の設計をしているという想定で話を聞いてください。 

 

当日の進行のみではなく、場の設計をすることもファシリテーターの役割という前提で進めます。

グラフィックレコーディングは何のため? 描いてもらうことでどう活かすのかを考える

グラフィックレコーディングはいろんな場で使われているので、どんな場でどんな風に活かすのかを考えてから、依頼することが鉄則。ここから先は私が自分でグラフィックレコーダーの方を呼んで、対話の場を一緒に進めるケースを想定していますので、その前提を踏まえて読んでください。 (SNSなどでよく見かける、講演会のグラフィックレコーディングとは別だと思ってください)

 

上記は別の記事でもご紹介したDiamond of participation という新しいものを生み出すための対話のフレームワークなのですが、最低限「拡散のために描いているのか」「収束のために描いているのか」は意識してもらう点の1つ。例えば、拡散のために描いてもらうなら、割と数多く拾って描いてもらうことが大切だし、収束のために描いてもらうならたくさん描くことよりもキーワードを絞って描いてもらうことが大切です。

 

十分に時間を取れそうなら、より細かく拡散、混沌・探求、収束というところまで意識できると理想ですが、なかなかそこまでできるケースもまだ少ないので、少なくとも「今何のために描いているのか?」をグラフィックレコーダーの方が分かるように伝えるのが親切かなと思います。

どの現実レベルを描き残してもらうかを意識する

もう1つ、私がグラフィックレコーダーの方に描いてもらう際に意識する点は、どの「現実レベルを描き残してもらうか」です。アーノルド・ミンデル氏という方が提唱した3つの現実レベルという考え方があるのですが、(こちらの中に出てくるイラストが分かりやすいです) ものすごく簡略化して伝えると、

・現実レベル                    発言内容そのものの言葉を拾ってもらう
・ドリーミングレベル      感情的な表情、シンボル、色を描いてもらう
・エッセンスレベル   色だけ、線だけ、メタファーのみを描いてもらう

という感じ。これを組み合わせてグラフィックレコーディングの方にお伝えしています。例えば、「この箇所は拡散のための時間で、今回の参加者は割と感情的な言葉が出づらいタイプなので、ドリーミングレベルを強めに拾ってもらえますか?」とか「ここは収束なので、繰り返されるキーワードだけに絞って、色とか線を周りに足してくれますか?」とか。 ( 細かく指示しすぎ…?)

 

対話を深める時など描いてもらったものを使って「この表情はしっくりきますか?」など聞いて、その場にいる人がもう一歩自分自身の内側の感触を確かめやすくするために使っています。この辺りはもちろん「私が指示する通りにやってください」という話ではなく、グラフィックレコーダーの方の意見や書き味も見て、話をしています。

 

また、3つの現実レベルというのはパキッと分かれるものではなく、バランスよく描いてもらうことも出来ます。(ストーリーテリングなどはバランスよく描けるグラフィッカーの方に描いてもらうと、内容のポイントは後から見ても分かるもので、かつ雰囲気や感覚も味わえるものになるので良いですね。

こちらはのと未来会議の話題提供者の話をグラレコしてもらったもの。度々ご一緒させていただいている株式会社たがやすのさよさんの力作です。

描き終わった後の活かし方

もう1つ大切な視点は、描き終わった後にどのように活かすのかということ。例えば、対話を深めるためだけに使うのであれば本人たちが分かれば良いですし、終わった後レポートや企画書に入れる場合はこの場に参加していなかった人が多少分かるように編集を意識してもらうこともあります。

 

・描いてもらったメタファーを切り取って資料に使う
・ワークショップの後のレポート・社内報などに入れる
・タイムラプスなどで動画にする (ページ参照) 

 

こんな感じですね。ファシリテーターにもいろんな分野で活躍するいろんなタイプがいるように、グラフィックレコーダーの方にも得意不得意や、分野による経験の違いがあります。ファシリテーターの方からグラフィックレコーダーの方を探して依頼する場合には、上記の視点を保ちつつ探されると良いかもしれません。

 

<動画の例  *エッセンスレベルの強めなグラフィックレコーディング (だと私が思う事例) >

グラフィックレコーダーとの関わりのスタンスを明確に

グラフィックレコーダーと組むときに「どのように関わってもらいたいと思っているのか?」を自分なりのスタンスとして決めておくのも良いでしょう。もし、「当日呼ぶだけでなんとかしてもらいたい」なら、それは場の設計やグラレコがどのように場に影響するのかを意識でき、かつ多様な描きわけができるくらいには高スキルの方にお願いする必要があります。

私が依頼するときは、主に設計(プログラム)と当日の進行の2点から、どれくらい関わってもらいたいかを明確にして依頼をしています。私の場合は、プログラムの事前共有はする派で、できればプログラムにも意見がもらいたい派。進行は本人の希望に合わせることが多いですが、気づいたところは介入してもらうという場合が多いです。また、事前の打ち合わせ参加も必ず参加してくれる人、という条件でお願いします。

 

どれがあっている、あっていないではなく自分なりに依頼のスタンスを決めておき「なんとなく呼ぶ」を避けるのがお互いのために良いと思っています。

 

ちなみにこの記事はファシリテーターの方でグラフィックレコーダーの方と組む機会がある人向けに書いていますが、もしかしたらグラフィックレコーダーの方も読むかもしれないので、逆バージョン(つまりファシリテーターと組む時に考えておいてもらいたいスタンス)も載せておきます。

昨年ビジュアルプラクティショナー養成プログラムというコースの講師を担当して感じたのですが、どちらかというとファシリテーターの方に、グラフィックレコーディングの理解や、どのように力を活かしてもらうかを考える知識や経験が少ないのではないかと思っています。

 

もちろん、私もまだまだ実践の半ばではあるのですが、現時点で自分が取り入れていることをご紹介してみました。ぜひ皆さんの周りでの実践も教えてもらえると嬉しいです。

この記事を書いた人

玄道 優子 ー 対話支援ファシリテーター

「自分の本音に気づき、それを大切に生きる」ための対話支援ファシリテーター。対話の場を設計したり、主催したり。いろんな組織の「大切な話し合い」をサポートします。現在、力を入れているのは #わたしのリズムを生きる 対話のプロジェクトを進めること。

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