システムコーチング®ってなんですか? 誰かと「共に」成果を出したいリーダーへ届いて欲しいアプローチ (実例つき)

2019年10月16日

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 システムコーチング® って何?という方へ

今回は、私が現在仕事で行なっているシステムコーチングについて改めてご紹介します。チーム力を発揮したいというリーダーの方や、組織の中で重要なチームへのアプローチ方法を考えているという方はぜひ、ご覧になってみてください。

システムコーチング® とは、チームの関係性コーチングである

システムコーチング® 、ご存知ですか? 人事系、または組織系に関わる仕事をされている方の間で、ひっそりと(?)広まっているアプローチですが、システムコーチング®とは、2人以上の関係性へのコーチングのことです。

 

私は2014年に学び始め、2015年から仕事にしているため、過去にいくつかシステムコーチング®についての記事も書いているのですが、そこから5年以上経ったのと、最近いくつかシステムコーチングの仕事をしていたこともあり、こんなシーンで役立てているということを紹介する記事を改めて書いてみます。

 

改めて書きますが、システムコーチング®のシステムとは、2人以上の関係性、を表す言葉です。これをITのシステムだと勘違いする人がすごく多いので、チームコーチングと説明する人もいます。 (私も「チームへのコーチングです」と伝えることが多いですね。)

 

ただ、システム=関係性なので、夫婦、家族へシステムコーチング®をする人もいますし、私のようにチーム、組織へ行う人もいます。 システムコーチング®は、特に組織で実施するときには、基本的にコーチが2名で実施するというのも特徴の1つ。複数で実施することで、チームへのアプローチの幅が広がりますし、何よりもコーチ同士の関係性がそのチームへ影響を与えます。

多くの場合2人のコーチがチーム全体に関わります。
 

2人のコーチが、コーチングの対象となるチーム全員に連続ワークショップを行うようなイメージです。ワークを通してチームのメンバー同士が対話をして、自分たちの今の姿、これからどうなっていきたいかを言葉にして、アクションを決め、次のセッションまでにそれを実行してくるというサイクルを一定期間続け、チーム全体の成長を後押しします。

 

過去記事のご紹介

システムコーチングについての記事はこちらにもいくつか書いています。

実施の様子が知りたければこちらの記事をどうぞ

実際にはどんなことをするの?

チームへのコーチングと言いつつも、実際にはどんなことをするのか気になる人もいると思いますが、実際のコーチングでは、レクチャー、ワーク、対話を組み合わせて、毎回カスタマイズして行います。

 

また、システムコーチング® のワークを使ったチームビルディングとして、単発で実施することもありますが、基本的にはコーチングなので連続で何度か行います。

 
システムコーチングの流れ
継続セッションはチームによって回数が変わります。
上記は組織で実施するときのベーシックな流れです。セッションの様子は写真で撮ることがほぼ出来ないので、あまりないのですが、公開できるものだとこんな感じ。
システムコーチングの実施風景

こちらは以前PLASさんで実施させていただいたときのもの。普段は企業で行なっているので、写真はほぼ撮ることが出来ません。

 
システムコーチングの原則
実際のセッションではこのような資料を使って、説明、ワークを実施しています
システムコーチングの様子
ワークは、それぞれのコーチが工夫して実施します。私たちのセッションはカードや道具を使うことが多いです。

セッションの設計や実施の仕方はそれぞれのコーチの色が出るところですね。

 

どんなチームがシステムコーチング®を受けると効果的?

参考までに、私がここまでに継続的に担当した案件の実例の一部をご紹介してみます。

  • M&Aや部署などが統合し、お互いの文化が馴染まないので効果的なコミュニケーションが取れていない
  • 経営層がずっと同じメンバーのままで、パターン化したコミュニケーションのまま抜け出せない
  • 管理職のミーティングをもっと活発にしたい
  • 異なる働き方、関わり方の人と、「なぜ今この活動が大切か?」について聞き合い、チームとしての方向性を定めたい

私自身が担当した仕事として多いのは、経営層のチームビルディングとして実施する、というケース。 システムコーチング®ってたくさんのチームが受けるという訳にはいかないので、どうしても組織の中で要となるチームが受けることになります。

 
また、個人の感覚ですが、パーソナルコーチングと違って、将来の投資のためにシステムコーチングを受ける企業はまだ少なくて、チームの状態が良くないことが明らかになっている、つまり課題であることが
誰の目にも明らかな場合と、組織としての転換期(吸収合併など)の時に依頼されることの方が多いかな。
 
 
この辺りは、もっと「早い段階でチームを育むアプローチをとること」の価値を私たちが伝えていけたらなと考えています。夫婦も離婚になりそうになってから、「どうしよう!」と焦るより、今よりもっと幸せな関係を育むためにどうしたらいいのか、普段から話せている方が安心ですよね。チームもそれと同じことなんです。

 

 何のために行うの?

また、チームの関係性のコーチング、と書くと「チームメンバーが仲良くなるためのもの?」と思われる方がいるかもしれません。しかし、システムコーチングは仲良くさせるためにやるものではなく、そのチームでこれまでと異なる成果を挙げるために行うものです。

チーム内での心理的安全性(もう一歩相手に踏み込んで関われる安心感)を高め、これまで話せなかったことでも話し合えるようになった結果、その中から新しいアイデアが生まれたり、一緒に取り組むことが生まれたりと「これまでのコミュニケーションパターンでは起きづらかったこと」が可能になっていくのです。

システムコーチング® を学んでみたいなら…

システムコーチング® はCRR Global Japan合同会社がコースを開講しているので、学んでみたい方は受講してみると良いでしょう。基礎コースだけでも受講してみると、システムにアプローチするということがどういうことかが分かるので、おすすめです。

 
 

コーチングと名が付いているからか(?)、私が受講していた頃にはファシリテーターの人はほとんどいなくて、8割くらいパーソナルコーチの方が受講していました。 (最近では、人事とか組織系の仕事をされている方の受講が多いそうです) 個人的には、パーソナルコーチの方よりも、グループのファシリテーターの方の方がシステムコーチングは馴染みやすい印象がありました。

 
 

応用コース以降は、システムコーチング を仕事にしたい、ファシリテーションを学んでいる歴がまだ浅く、何か深めて学んでみたい方にとっては良いと思います。ただ、海外のプログラムをそのまま日本で実施しているためか、プログラム自体、参加していて不自然に感じることや違和感が強いものもありました。( 私自身は苦手意識が強かったです) 

 

また、システムコーチング® は考え方は明示されるものの、特に応用コース以降は、ワークとしては曖昧なものも結構あるので、実際にチームにコーチング®を行うには、それなりのプログラムデザイン力が求められます。 曖昧なものでも自分なりに考えて形作っていくのが好きな方はそれでも良いのですが、ある程度手順が決まっている型を習いたい段階の方にはおすすめしづらいです。

 

私のようにシステムコーチング®を仕事として実施する側になる人は少なくて、ほとんどの受講者の方は自分のチームへの関わりに活かすとか、すでに自分がしている仕事にエッセンスを取り入れる感じで活かしているみたいです。

関係性は「意図的に育むもの」と知る

心理学者アドラーによると「人間の悩みは、すべて対人関係の悩み」なんだそう。 それくらい、私たちの心を支配し、日々の幸福感に影響を与える関係性。それは、私たちが「意図的に育む」ことで、望む関係性に近づくことが出来ます。関係性って放っておいて勝手に良くなるもんじゃないんですよね・・・。

 

勝手に良くなってるように感じるなら、それは無意識にお互いがしている関わりが上手く、相手と関係を育む関わりになっているのだと思います。 システムコーチング®を学び始めてから、「今、目の前にいる人とどんな関係を望んでいるのだろうか」を考え、自分が望む関係に育むよう意識するようになりました(意図的に距離を置くことも含めて)。 

 

何より、私自身が素晴らしい関係の中を生きられるようになったというのが、最大の恩恵です。 人と人が力を活かしあい、社会のために活動するって尊いし、本来は楽しく、幸せなもののはず。そのために、どこかのチームや組織で、自分が貢献できたら嬉しく思います。

詳しい資料を見たい方へ

システムコーチング®の説明資料はこちら
ベーシックな提案書はこちら をご覧になってみてください。

 

オンラインでの実践例はこちらもどうぞ!

オンラインはここまでできる! システムコーチング® × グラフィックレコーディングの実践例

この記事を書いた人

玄道 優子 ー 対話支援ファシリテーター

「難しい対話を見えやすく、触れやすく。小さな声を掬いやすく」自分の生きる場を他人任せにしない人に向けて、「これをやりたい!」を生み出せる場づくりを支援します。ITコンサルタントからキャリアチェンジ/多国籍やオンラインの場づくり/Miro革命出版準備中  /IAF Japan chapter 理事

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