オンラインワークショップはチームで運営するのがコツ ~のと未来会議の実践に学ぶ「共に作る」場づくりとは~

2021年1月9日

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数十人以上のオンラインワークショップを主催する機会のある方へ

今回は以前、能登町の共創と変化から、私たちの暮らしにヒントを得る! 〜のと未来会議2020へようこそ!〜という記事でご紹介させていただいた石川県能登町が主催している、市民のための対話の場である未来会議についてです。今年はオンラインで開催しているのですが、関わっている方一人ひとりの尽力のおかげで、かなり理想的な体勢で実施できているのではないかと思っています。オンラインワークショップを効果的に行いたいという方はぜひ読んでみてください。

オンラインワークショップの先陣を切る! のと未来会議

のと未来会議とは元々「2030年に能登町に若者が集まってくる町になるために、能登町の未来を「自分ごと」として話しあえる場」というコンセプトで能登町の方達が対面で実施していた対話の場です。これまで2年間実施してきて、今年からオンラインで開催されるようになりました。

対面で実施していたときの様子

オンライン化にチャレンジするもしないも、それぞれの地域や自治体の判断ですが、これまで2年着実に活動を続けてきたからこそ、「今年も…!」と参加に期待を寄せている人がたくさんいたというのは、すんなりオンライン化に踏み切った後押しになったのではないでしょうか。

 

また、後述しますが、オンラインワークショップはいろんな人が助け合う仕組みが不可欠。その点からいってもこれまでの歩みが、今年のオンライン化の成功を強力に支えてくれています。2020年度ののと未来会議は11月・12月に1回ずつ開催され、それぞれ詳しくレポートが公開されています。 どんな内容を実施しているのか気になる方はぜひ、見てみてください。

どんな内容をやったのかや様子はこのレポートが素晴らしすぎるので、そちらに任せるとしてこの記事では「どんな風に役割分担をして実施しているか」という、開催の裏側を少しだけご紹介したいと思います。

オンラインワークショップはチームで進行するのがコツ

以前、オンラインワークショップの実施のコツについての記事も書いているのですが、オンラインワークショップは複数名で運営することが必須。特に参加者の人数が増えれば増えるほど、運営の人数も増やす必要があります。

オンラインワークショップのコツって何? 私が意識しているポイントをご紹介

 

私はオンラインワークショップの良さの1つは、「小さくチャレンジする人をたくさん増やすことができる」ことだと考えています。もちろん対面でも手助けしていただく人は多く必要になりますが、オンラインの方が明確に役割がたくさんあり、分担もしやすいため、いろんな人と場を作り上げていく実践としてはオンラインの方がやりやすい感覚があります。

 

例えば、のと未来会議では全体の進行をする人、ミニワークの進行をする人、ミニワークのツールを準備する人、小グループの話し合いの進行をする人・グラフィックレコーディングをする人、録画ボタンを押す人、ブレイクアウトルームの操作をする人、遅れてきた人のサポートをする人、開始前後の挨拶、全て違う人が担当しています。

のと未来会議はこうやって作られている!

ここでちょっと2020年度ののと未来会議を支える人たちをご紹介してみます。

まず企画そのものを担当しているコアチームはこちらの4名。 地方公務員アワード2020を受賞された灰谷さんと同じ部署の若手職員の大澗さん、そしてこれまでののと未来会議もサポートし続けている株式会社たがやすのさよさんと私です。

 

この4名で大枠 (狙いや、各回にどんな人を呼んで、どんな場にするのか)を話して決め、その内容を元にさよさんが告知準備をしてくださり、大澗さんが役場や能登町の方への周知、灰谷さんが話題提供してくださる方と打ち合わせ 、その間に私が当日の進め方を設計するという分担で進めています。 更にのと未来会議では運営を支えてくれている強力なメンバーがいまして、

更に上記のサポートしてくださる方にプログラムの内容を共有し、どんな役割があり、誰がどこを分担するかを話し合っておきます。 例えば、12月ののと未来会議では、能登町への移住者や訪問者3名のストーリーを聞き、自分たちの暮らしを考えるという時間にしたのですが、それぞれのグループに進行、グラフィックレコーディングをお願いしました。

アーカイブボードにグラフィックレコーディングを載せています

またアーカイブ用のボードを作っていて、誰でも話題提供者の動画・グラフィックレコーディングを見ることができるようにしてあります。このボードも最初は私が作っていたのですが、2回目の記録を載せてもらうところは運営のサポートをしてくださる方にお願いしました。

 

いろんな人に役割分担をしてもらいながら進めるためには、早めにプログラムを設計する必要がありますし、事前の打ち合わせの回数も増えるのですが、それでいて尚、時間をかける価値があると考えています。

助け合いながら作る場は、参加者にとっても安心感が高くなる

何といっても運営に関わっている人が多いことの良さは、参加者にとって安心感につながること。例えば、能登町から参加される方は、役場の方がいてくださることは心強いですし、オンラインなので他の県からも参加される人もいるため、そういう人にとっては私たちのように他県から参加しているメンバーがいる方が安心感があるかもしれません。

 

また自分が学生なら近い年齢の人がいると安心感が高まるのではないでしょうか。(運営のサポートには大学生の方もいます) 話題提供者に質問をするときにも、能登町の方でないと聞くことができない質問もあるだろうし、その逆もあります。

 

1つの場を作ってくのにたくさんの人の出番がある方が、私にとってはずっと楽しい。次回ののと未来会議もいろんな人の力を借りながら作っていくつもりです。今年ののと未来会議では能登町の皆さんだけでなく、自分たちの暮らしを見つめ直してみたいという方、能登町の取り組みに関心がある方 (*取り組みの参考にしたい、と他の自治体の方が参加されていることもあります) など関心がある方はどなたでもご参加いただけます。次回もご参加お待ちしております!

 

次回ののと未来会議

第3回 のと未来会議 〜能登町の共創から、未来の暮らしのヒントを見つける!〜能登町のワクワクする人「あばれ祭りを作る人々と暮らし」 1月27日(水) 19:00~21:30 開催です。詳細はこちらから!

 

これまでの記録を見たい方はこちら!

2020年ののと未来会議では、実施してきた内容をオンラインボードに残していっています。これまでの話題提供者の話している箇所の動画や、小グループで話をしたときのグラフィックレコーディング、当日話して残したキーワードなどが残っています。どなたでも見ていただくことができる+付箋などに書き込みもできるので、ぜひこちらから覗いてみてください。

この記事を書いた人

玄道 優子 ー 対話支援ファシリテーター

「難しい対話を見えやすく、触れやすく。小さな声を掬いやすく」自分の生きる場を他人任せにしない人に向けて、「これをやりたい!」を生み出せる場づくりを支援します。ITコンサルタントからキャリアチェンジ/多国籍やオンラインの場づくり/Miro革命出版準備中  /IAF Japan chapter 理事

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