タネを守ることは命を守ること 知ることから始まる私たちの未来の守り方
2022年1月11日
自分の暮らしを大切にしたい方へ
私たちの「タネ」が無くなったらどうなるか
皆さんは、今日も明日も、そしてこの先の未来も今、食べているお米をずっと食べることができ、今食べている野菜をこのまま食べることができると思っているのではないでしょうか。何を隠そう、私もそう思っている一人でした。しかし、現状の日本の法改正に目を向けると、どうやら日本は在来種、つまりその地域に根付いた種を守り、広げていく方向ではなく、民間企業の参入を招き、大きな力を持つ外国企業によって海外産の遺伝子組み換え農作物が増えていってしまう可能性を広げる方向に進んでいるようです。
私のような、食を「購入」に頼っている人はまず、今の食を支えてくださっている方に感謝をし、そしてその生産環境を守ったり、一緒に大切にしていく必要があると思っています。知らない間に法律が変わっていて、今ある食べ物が買えなくなってからでは遅いのです。
このプロジェクトで何をしているのか
昨年より、タネが生み出す地域の未来プロジェクト ~ Seeds for local future ~ という一般社団法人アクト・ビヨンド・トラストの助成を受け、特定非営利活動法人ホールアース研究所が主催しているプロジェクトに関わらせていただいているのですが、そこでは日本・中国・台湾・韓国の4つの地域でこのタネを守るための学び合いをしたり、お互いの交流を深めてできることを探っていったりするためのワークショップを行っています。
現在、下記のように各国の参加者が自分達が取り組んでいることを発表し合い、それぞれの地域でタネを守るためにどんな取り組みをしているのかを学び合っているところです。日本の発表は富士山麓有機農家シードバンクの鈴木さん。
こちらから PDFでダウンロード できるので、ぜひ見てみてくださいね。
このプロジェクトのことは、また紹介する記事を書きたいと思っているのですが、現状知ってほしいことは「私がこんなプロジェクトやってます!」ということじゃなくて、とにかく地域に根ざした種を守るという意識を社会的に高めないと、今後私たちの食が危ぶまれるということを知ってもらいたいのです。
私たちにできること
このプロジェクトに関わるようになってから、私自身も身近な食についてとても考えるようになりました。例えば、在来種を買える場所はないのか調べてみたり(驚くほど見つけられなかったです…) 、ベランダ菜園の種を地域に根ざした種を探して買ってみるなどするようになりました。
また、こちらは先ほどの鈴木さんに教えてもらったのですが、日本でローカルフード法 ( ※ ITPGRに準ずる法律。なるべく地域に根ざした作物を地産地消していくことを守るための法案です ) の立案を目指して動かれている方もいるようです。
政策共創プラットフォームpoli poliにもこの政策についてのページがあるので、コメントを書いて盛り上げるのも良いと思います。SNSで広めたり、社会的な気運を高めていきたいですね。
国を超えて大切な話をしたい
ここからは私がなぜこの記事を書いているかという話なので、関心がある人だけ読んでほしいのですが、元々私はファシリテーターとして活動をしていて、国を超えて(つまり多文化が混じった場で ) 大切な話をすることのサポートをしたいと思っていました。
その気持ちの根底は、祖母が広島平和記念資料館で被爆者証言ビデオに出ていることから、幼少期に「国が違うと人は分かり合えないのだろうか?」と感じた経験からきているのですが、このビデオの中でも祖母は「 (自分は被曝したが) 野菜をたくさん食べられる環境におり、そのことで元気になれたのだと思う」と語っているシーンがあります。そのことから、間接的にでも自分達の食を守る活動に携われるのは、自分の命の使い方としていいなと思ったのです。
日本は今回参加している東アジアの地域の中でも、種を守っていく法律や取り組みは遅れをとっている地域だそう。私も自分の命が尽きるまで「食べる」を大切にしたいので、自分なりに学び、周りにも知ってもらえるように伝えていくつもりです。